5歳の少年・陽太は、お腹を空かせたまま一人でラーメンを作ろうとガスコンロを操作するが、幼さゆえの未熟な手つきが原因でガス漏れを引き起こし、家が大爆発を起こしてしまう。炎に包まれた家の中で意識を失った陽太を救ったのは、近隣に住む善良な男性・西原輝也だった。彼は自身の命を顧みず家に飛び込み、陽太を助け出す。一方その頃、陽太の父・相沢信司はホテルで愛人と密会中であり、妻・美和子からの電話を適当にあしらって帰路につく途中、救急車と衝突事故を起こす。 信司は非を認めるどころか、救急車の出発を妨害し続ける。住民たちはタクシー運転手・木村百合子の協力を得て陽太を病院へ運ぶが、信司の執拗な妨害によって救命の時間は大きく失われてしまう。命がけで奮闘する医師・石田翔と西原の努力も実らず、手術室の扉が開かれた時にはすでに陽太の命は尽きていた。遺体の白布をめくると、信司と美和子は亡くなった少年が自分たちの息子であることに気づき、愕然とする。自己中心的な行動が愛する息子の命を奪ったという事実が、信司に深い後悔と絶望を突きつける。